セラックニスを塗ってみる
ホルムアルデヒド対策で有名なセラックニスですが、今回は
自作洋服ダンスや漆喰の剥がれ落ちた引き出しに塗ってみました。
もともとホルムアルデヒドなどほとんど出ないはずなのですが、
その検査結果やいかに。
ホームセンターで売っているSPF木材で洋服ダンスを作ってみました。
作り始めが2005年1月半ば、完成は4月半ば、チマチマと作るので
出来上がるのに3ヶ月も掛かったことになります。
その分出来上がったときの喜びも大層なものでした。
無垢の木材はプラスチックなどと異なり反ったり捻れたり設計通りには
思うようになってくれません。各面をモジュールとして作ることにしました。
これは床板モジュールです。既にニスが塗ってありますが、一度全てのモジュールが
出来上がった後に各モジュールにニスを塗る方式にしました。
引き出しと洋服掛け区画の仕切だけはモジュールにせず個別に塗装しました。
この様に結構テカテカに塗ってあります。最初は薄くても良いかなと考えてましたが
塗った部分が重なってテカっているのを見て気に入ってしまいました(笑)。
塗装をやり直そうとして失敗した部分。
取っ手の部分は鑿で削った部分が真正面からだと分からないのでその部分だけ
重ね塗りしたのですが、思うように直線にならなかったのでアルコールで
溶かしてから再塗装しようと考えました。・・・でも失敗(涙)
マスキング用のビニールテープから接着剤がアルコールに溶けだし
このように白く粉を吹いてしまいました。教訓。テープを利用するのは止めましょう。
その後、ニスの上塗りでなんとか誤魔化しました。
なんだかんだで完成。中央の取っ手右部分の色が濃くなった部分が上記の失敗したところです。
見て分かるとおり左右の扉の幅は異なります。
折り畳める服を入れるのはここに。本当は2段にしたかったのですが、
やたら工数が増えるのと隙間対策が非常に面倒なのでやめました。
かわってこちらはずいぶん前に漆喰を塗ったテーブルの引き出しです。
漆喰を塗っても閉じた空間だと匂いが結構溜まるのでこの際セラックニスを
塗ることにしました。もちろん漆喰は剥がすことになります。
頻繁に(と言っても日に2〜3度ですが)開け閉めするので衝撃で剥がれ落ちてしまった部分。
おそらくこの漆喰は自分で石灰に角叉(ツノマタ)を混ぜただけのものです。
メチルセルロース入りのメーカー品漆喰を塗ってある引き出しも同じく剥がしたのですが、
金槌で叩いたりドライバで無理矢理剥がそうとしてもやたら頑丈で剥がすのにエラく苦労しました。
気持ち的に漆喰の上に塗りたいところですが、セラックニスは薬剤耐性が
弱いらしいのでこの様にすっきりとさせます。
表裏としっかり塗りました。
まずテーブルを検査
・・・おなじだ。どちらも無反応。なんだつまんないの、と思いながら
空気中のホルムアルデヒドを溶け込ませる容器の片付けをしていたところ、
ずいぶん前の記憶より気楽な事に違和感を覚えました。記憶では、気体をとけ込ませた
蒸留水を捨てるのにもっと気を使っていたはずです。なのに今回捨てるのはただの蒸留水。
蒸留水を捨てるのに何故気を使う必要があったのだろうかと疑問に思ったのです。
やべっ、試薬入れ忘れてたよ
ガーン。貴重な検査セットを二つ無駄にしてしまいました。ガックシ。
前回使った残りのセットでの検査だったので、あと残るは一つのみ。
これじゃあ比較出来ない。しかたなく検査キットを注文しようとしたところ、
食と暮らしの安全基金(旧 日本子孫基金)
では担当の方が既に退職され
販売を行っていないとの事でした。・・・残念。たった一つでどうするか
散々悩んだあげく、ニスを塗ってある洋服ダンスの中を検査してみることにしました。
ニスの溶剤はエタノール(86.9%)・イソプロピルアルコール(4.9%)・ノルマルプロピルアルコール(8.2%)
です。酸化してもホルムアルデヒドが出来ないものです。木材からほんのちょっぴり出たりしますが
それほどのものではないはずです。今度は試薬を忘れないようにしてっと・・・
しかし・・・検査結果は・・・
な、なんじゃこりゃぁああああー。真っ青じゃないかぁぁああ。
驚きの余り
撮影位置を変えてみるがやっぱり真っ青。
ぶっちぎりです。所謂メーター振り切れ状態です。
真っ青と言っても後ろが全く見えない程ではないのです。
明るい背景から透き間を空けるとこのように透けてはいます。
透けてはいるのでそれほどでもないのかなと思いきや、よく見ると
沈殿してます。もはやただ色が付くとかどころじゃなくて塊になってる模様。
泡に見えたりしますが、泡ではなく細かい砂みたいなもんです。
一日置いてみると完全に沈殿してます。とんでもなく反応しまくってるようです。
今回の実験で分かったことは、この検査キットではホルムアルデヒド以外の物質も
検出してしまうということです。アルコール類そのものやアセトアルデヒド、
アセトンなどです。たしかに今回のような結果になっても不思議ではありませんでした。
実際に作成した洋服ダンスの中はアルコールの匂いがかなりします。最初は
「甘ったるい匂いがするな〜」ですが、10秒ほど匂いを嗅いでいると胸焼けがします。
幸い自分の部屋では24時間換気扇が回っているので匂いは篭もりませんが、扉を
閉じているタンス内では結構な濃度になりそうです。
そこから発展させると、当たり前のようですがシックハウス対策でセラックニスを
塗装した場合でもしばらくの間は換気しなければならない事がわかります。
押入などに塗装した場合は、(塗装前の濃度にもよりますが)押入内が塗装前よりも
人間に悪い環境になるので、かなりの間解放して押入のある部屋ごと換気する
必要があるでしょう。押入を滅多に開かないから換気する必要はないと
考えるかもしれませんが、それが可能ならそもそも塗装する必要がないかもしれません。
また、塗装の影響を少なくするために塗装皮膜を薄くするという方法が
ありますが、そうすると今度はホルムアルデヒド遮断能力に影響が
出るのではないかと懸念されます。
なんにせよ換気は大変重要であると再確認できました。
ホルムアルデヒドのみ検知出来る装置があれば詳しく検査できますが、
個人で行うには無理があるのが残念です。
【追記】2005年5月29日現在、未だに洋服ダンス内の匂いはかなりあります。
ただしホルムアルデヒドのような酸っぱい臭いではありません。
また、単なる塗装としてはセラックニスはかなりお手軽なものと
言えるのではないでしょうか。薄く塗れば30分もしないで触れる
ようになりますし、なにより他の塗料より溶剤もニスそのものも比較的安全です。
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